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政権選択が最大の焦点である今回の衆院選(18日公示、30日投開票)は、我々が直面する諸問題に各党が解決策を示すマニフェスト(政権公約)選挙でもある。「選択の手引」とするため、選挙の主な論点について識者の意見を聞く。
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◆消費税
現在、日本の財政は税収だけで毎年の予算を賄えず、重ねた国の借金は先進国で最悪の水準にまで積み上がっている。高齢化も進んで社会保障費が増え、歳出は増え続ける一方だ。
解決策の一つとして、国の税収44兆円(08年度一般会計)のおよそ4分の1(10兆円)を占め、所得税や法人税と並ぶ基幹税である消費税の引き 上げが検討されている。だが国民生活に直結する税だけに、各政党はマニフェストに「増税」と書きにくい。今回は自民党だけが「11年度までに必要な措置を 講ずる」と記したが、消費税増税の実施時期は未定だ。【構成・斉藤望】
日本の消費税率5%は諸外国と比べて低く、財政赤字は危機的水準にある。国民が薄く広く負担する消費税の増税は否定しないが、歳出削減と成長戦略 を欠いたままの増税では、必要な税率はたちまち25%を超えるだろう。増税に至る手順が重要だ。まず歳出削減と経済成長による税収増を徹底して追求し、そ れまでは増税すべきではない。
国民生活や経済への影響を考えれば消費税率は15%が限界だ。消費税率を上げて財政を再建することが政治の責任だ、との主張は勇ましく聞こえるが、成長戦略と歳出削減を組み合わせなければ失敗し、日本経済は破綻(はたん)しかねない。
歳出削減を進めるのはもう限界との意見もある。小泉政権が決定した、社会保障費の自然増から年2200億円を抑制する方針が、「医療や福祉の現場 を疲弊させた」というが、疲弊の本当の理由は制度改革を怠り、数字あわせの歳出カットばかり続けたことだ。高額所得者への年金支給停止や、高額の医療費を 認める混合診療の解禁など、制度改革を行えば、歳出を削減する余地はまだある。既得権益にまみれた政治家が指導力を発揮できないだけだ。
金融危機が収束すれば、日本は名目で年4~5%の経済成長が可能だ。それができないのは、法人税率引き下げによる企業の競争力強化など、当たり前の政策をやっていないからだ。名目成長率を高めるには1~2%の緩やかな物価上昇が必要で、実現する責任は日銀にある。
高齢化は止まらず、医療・年金・介護の社会保障費は毎年1兆円ずつ増えていく。今年度の財政赤字は40兆円を超え、積み上がった国・地方の借金は800兆円を超える。危機的な財政状況を考えれば、消費税の増税しかないのは明白だ。
消費税を上げれば景気に悪影響があるというが、現状は、年金や医療などへの不安から高齢者が消費をしぼり、経済に悪影響を与えているのだ。消費税を上げても、その分が社会保障給付に回れば、マクロで見れば国民の得失はゼロだ。
消費税率を3%から5%に引き上げた97年に日本経済は失速したが、それはアジア通貨危機や山一証券の破綻(はたん)による金融不安が原因だ。消費税は「低所得者層ほど税負担が重い」と批判されるが、雇用保険や生活保護など社会保障給付はむしろ低所得者に手厚い。
消費税の収入は社会保障に使うと明確にし、負担と給付を組み合わせれば、国民の理解も深まるだろう。景気が悪化し、今すぐ消費税を上げることに政治家は及び腰だ。だが、いつでも増税できるよう議論だけはすぐに始めるべきだ。
選挙後には、与野党が政策協定を結び、消費税増税を含む税制抜本改正と社会保障の制度設計に取り組んでほしい。消費税増税を政争の具にしてはいけない。=つづく10 | 2024/11 | 12 |
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