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日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会をめぐり、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が会場の使用を拒んでいた問題で、日教組は1日、使用できるめどが立たないとして、2日午前の全体集会を中止することを決めた。1951年に始まった日教組教研集会で、全体集会が開かれないのは初めて。
東京地裁、高裁が使用を認める決定を出しているにもかかわらずホテル側が従わず、開催できない異例の事態となった。ホテル側の企業倫理が問われるのは必至だ。
記者会見した日教組の森越康雄委員長は「法律を守るということさえできないのか」と話し、民事訴訟での損害賠償請求だけでなく、行政処分や国政の場などあらゆる手段で責任を追及する方針を明らかにした。
隣接するグランドプリンスホテル高輪で1日夜に予定していた前夜祭も、会場使用を拒否されたため中止した。2日午後から都内各所で予定されている分科会は予定通り開催する。
全体集会は教研集会の冒頭に毎回開かれ、今年も約2000人が参加する予定だった。昨年3月に日教組が旅行会社を通じて申し込み、5月に契約が成立。11月になってホテル側が「右翼の抗議活動で利用客や周辺に迷惑がかかる」ことを理由に契約解除を通告した。
日教組は12月、東京地裁に会場使用の仮処分を申し立て、認められた。これに対しホテル側は保全異議申し立てや抗告をしたが、いずれも認められなかった。しかし、使用拒否の姿勢を崩さなかった。
一年近く前に申し込んでいた予約を、間近になって一方的に解除するとは全く不誠実な態度だ。
契約の際には、例年右翼団体の街宣行動があり、警察に警備を依頼していることを説明していたということだし、それなら始めから契約しなければいいのだ。
このホテルの身勝手な対応によって、憲法で保障された集会の自由が侵されてしまった。
裁判所の命令に従わなくても良いのなら、やりたい放題やった者のやり得であり、日本は法治国家ではなくなったということだろう。
暴力の恐怖が、日本を蝕み始めているのだろうか。
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