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製薬会社から厚生労働省に提出された血液製剤を巡る418人分のC型肝炎感染者リストについて、これまで「個人の特定につながる情報はない」としてきた国の姿勢が一転した。舛添要一厚労相は22日、省内での引き継ぎミスを認めるとともに、製薬会社の幹部に感染者への告知に万全を期すよう要請した。一方、原告からは「明らかな薬害隠し。国と製薬会社は責任を認めて謝罪し、被害者を救済すべきだ」との厳しい声が相次いだ。【清水健二、江刺正嘉】
フィブリノゲンの製造元の田辺三菱製薬(旧・三菱ウェルファーマ、大阪市)の葉山夏樹社長と小峰健嗣副社長は22日午後、厚労省を訪れた。舛添厚労相と面会後、感染者に告知をしていなかった理由を報道陣に問われ「プライバシーへの配慮」を連発。副作用情報の収集は「個人の特定が目的ではない。リスクを負ってまで告知するのが妥当か、悩ましいところだ」と漏らした。「患者がプライバシーを気にするような肝炎感染を引き起こしたのは誰なのか」と追及されると、小峰副社長は「(感染の)もとになった薬剤は私たちが提供した」と力なく答えた。 舛添厚労相は会見で、特別調査チームの検証を1カ月をめどに終わらせると表明。個人情報の載った資料が省内で引き継がれていなかったことについて「組織としてあってはならない」と不備を認めた。しかし、当時の判断が誤りだったかどうかは「担当者がその時々で、どういう判断をしたのか、これから検証したい」と述べるにとどまり、訴訟への影響も明言を避けた。 一方、原告・弁護団も同省で記者会見し、大阪訴訟弁護団の山西美明事務局長は「国は87年の青森県の集団感染以降20年間、肝炎感染の事実を把握しながら放置し続けたのが実態だ。これを薬害隠しと言わずに何と言うのか」と批判した。 全国原告団代表の山口美智子さん(51)は「リストを放置したのは国が国民の命よりも医療機関や製薬企業の利益を最優先してきた結果。私たちは企業に見殺しにされ、国からも見向きもされなかった。これは不作為どころか、悪意としか言いようがない」と厳しく批判した。 |
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