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2008年最大のヒットアニメ映画「崖の上のポニョ」の監督宮崎駿氏が、麻生太郎首相がマンガ好きを公言していることについて記者から質問され、「恥ずかしいことだと思う。それはこっそりやればいいこと」と答えた。それ以外は語らなかったが、ネットでは、「オタク批判か?」「おまえが言うな!」といったカキコミが出て、宮崎監督の発言の真意を巡って大混乱している。
■バーチャルなものが子供達から力を奪い取っている 宮崎監督は2008年11月20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演した。この中で、現在の日本は自分の子供達にどんな未来が待っているのかについて非常に大きな不安を持っている、としたうえで、「日本に一番必要なのは日本の政府が言っているようなくだらないことではなく、子供達のための環境を整えること。もっと子供達の能力を信じ、力を引き出す努力を日本が推し進めることだ」と語った。 しかし、宮崎監督は現在の子供達の環境がアニメ、ゲーム、携帯、マンガなどバーチャルなものばかり。そんなバーチャルなものが子供達から力を奪い取っている、と指摘した。そして、「自分達のアニメの仕事も同様で、それが自分達の抱える大きな矛盾。その矛盾の中で、何を創ればいいのか、いつも自分たちに問い続けながら、映画を作っている」と語った。 その後の記者との質疑応答で、麻生首相がマンガ好きであることを大々的に公言していることについて、どう思うか、と聞かれると、 「恥ずかしいことだと思う。それはこっそりやればいいこと」 と答えた。ただ、これ以上突っ込んだ質問がなかった。 この部分がニュースとしてネットに流れると、宮崎監督の発言の真意は何なのかで大混乱となる。 ■「政治アピールにマンガ利用は許せない」ということ? ネット上のブログや掲示板を検索すると、 「マンガを読むのが恥ずかしいというのか?」 「オタク批判だ!」 というものや、 「首相という立場で大々的に公言するのは確かに違和感がある」 というのが出てくる。「2ちゃんねる」でも複数のスレッドが立つ「祭り」に発展した。ただ、 「漫画好き=馬鹿というイメージがつくからやめてもらいたいんだろ」 「大々的に公言するのが恥ずかしいと言うこと」 「クリエイターはこういう謙虚さと恥ずかしさを持ってなきゃならん」 などで、意見、解釈もバラバラだ。 スタジオジブリ関係者にJ-CASTニュースが話を聞くと、「ネットで言われているような『漫画を読むのは恥ずかしい』などと宮崎監督は言っているわけではない」と話した。 麻生首相はマンガ好きであることを政治に「利用している」ようにも見える。この点がポイントのようで、この関係者はあくまで「想像」としながら、 「麻生首相はマンガ好きであることを、若者に対する自らの政治アピールとして使っている。アキバに行って『オタクのみなさん』などと演説したりなど、見るからに、マンガを強引で露骨に全面に出しているのは、行き過ぎではないか、と批判しているのだと思います」 と語った。 |
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